5.使った参考書
参考書はこれ
私が買ったのは初版でしたが2022年の夏に2版が出てたので、これから買う人はそっちの方がいいと思います。まあ初版でも問題なく合格レベルまで持っていけます。
過去問はここから
電波受験界 第三級陸上特殊無線技士 過去の試験問題と解答(平成31年2月期~)https://jyukenkai.com/kakomon_tokushu/riku_g3/
電波受験界、名前はうさんくさいけど、歴史と経緯ある真っ当なサイトなのでご安心ください。
アプリはこれ
H28年2月期〜R4年2月期までの18回分が入ってます。これで広告がなければいいんだけどなあ。勉強しようとしてるのにいちいち30秒単位で広告を見せられると集中が切れるのでちょっときつい。あと、これは解説がついてない。
ただ、終わってから知ったのですがこういうアプリがありました。
これだと650円で問題(しかも軽い解説付き)が買えるので、参考書を買わなくてもこれだけやっていれば受かると思います。私が今からやるならこのアプリだけ買って、参考書も過去問の紙印刷もしないと思う。三陸特はCBTだから問題に書き込みもできないし、その点でもアプリの方が本試験に近そう。
6.学習方法
基本的には過去問がそのまま出るので、過去問の答えを丸暗記すればOKです。ひねった出題はされないので、答えの意味がわかっていなくても正解は当てられます。そんな勉強に勉強としての意味があるかどうかは置いといて。
私が過去問を丸暗記するためにやった学習方法はこちら。
1.参考書を通し読みして用語をインストール
2.過去問を印刷して、各設問を参考書の章立てで分類(蛍光ペンで色を塗る)
3.過去問一周目、全9回を横断しながら同分野の問題ごとに解く(つまり、蛍光ペンの同じ色の問題だけを連続して解いていく)(書き込みはフリクションのコーラルピンクで)
4.過去問二周目、前回の書き込みを赤シートで隠しつつ(コーラルピンクだと赤シートで完璧に消える)、各回ごとに頭から順番に解く。
5.間違えたところは暗記用にメモをとる。
6.メモをトイレに貼って暗記。
7.過去問三周目、4〜6を繰り返し
という風に過去問9回分を3周しました。
ちなみに私にとっては一級建築士の後に初めて受けたのがこれだったんですけど、正直軽すぎて試験勉強をした気分にはなりませんでした。三陸特の法規と工学を合わせても、一級建築士の各科目の1分野ぶん(環境設備なら「日照・日射」とか)くらいのボリューム感しかないし、問題はひねり無しだしで、正直スッカスカな印象です。そもそも三陸特は建築士みたいに受験生を落とすためにあれこれと腹黒く画策された試験とは違って、普通に受けにきた受験生を普通に合格させてあげようという善良な試験なので、攻略のためのテクニックとかも特にないです。素直に過去問だけやればよいと思います。
7.CBT試験当日のこと
テストセンターの予約内容は「30〜5分前 (12:45〜13:10)までに受付、13:15試験開始、1時間後(14:15)に試験終了」というものでした。実際には、早く行ったら早く始められて、終わり次第でさっさと帰れました。
- 2022年12月24日(土)12:50 テストセンターに着く。居室内はガラス窓付きの間仕切り壁で長手方向に2室に仕切られており、手前が受付と待合、奥が試験室。結構たくさんの人がパソコンに向かって試験を受けている。まずは受付へ。
- 係の人に説明を聞いて、手荷物をロッカーにしまう。試験室へは本人確認書類(運転免許証)以外は一切持ち込みできない。iPhoneとApple Watchはマナーモードでなく電源を落とせとのことだったので従う。その後トイレに行ってから(受付前に済ませた方が良かった、ハンカチも持てないので)、ボディチェック(手首まで袖をめくって何も書き込んでいないのを目視確認&全てのポケットの袋布を出して中身がないのを目視確認)して準備完了。IDとパスワードと試験の手順が書かれた紙を挟んだA4のバインダーを渡される。ボールペンも刺してあるけど、メモ用紙らしきものはない。えっメモ用紙もらえないの?と聞くタイミングはなく、係の人に促されるままに試験室へ。
- 13:00入室。予約した試験開始は13:15だったが、少し早くても問題はないらしい。充てがわれたパソコンに向かってIDとパスワードを入れると私の画面が立ち上がる。まずは操作方法のチュートリアルを2分くらいする。なるほどこれがCBTか。承知した。
- 13:05試験開始。画面に1問ずつ出てくるので順番に答える。アプリケーションのインターフェイスは普通にシンプルで必要な機能が過不足なく入っていて問題ない。解答はパソコンの画面上をマウスでクリックするだけだし、前後の問題にに戻れるし、後で見直すマークもつけられる。よくできているなCBT。
- 途中、まわりの人のキータッチ音とか換気のために開けられた窓の外の騒音とかが気になったので、席に備え付けられていた防音のためのイヤーマフを使わせてもらう。わりと音が消えたけど締め付けがきつかったので、世の中うまくいかないなと思う。ないよりはあったほうが良かったので試験終了までつけてた。
- 13:15 ものすごく丁寧に解答していった結果、10分で全24問を解き終わる。大体は過去問通りで分かったけど、全然わからなくて後で見直すマークをつけた未解答が2問ある。ふー。
- 13:25 ものすごく丁寧に全問を見直してマークミスがないのを確認する。後で見直すにした2問は結局ぜんぜん分からないので山勘で答えを決めて、もういいやと思って試験終了ボタンを押したら次の画面で即点数が表示された。110点。一瞬固まる。こんな即点数出てくるもんなのCBT。びっくりするわ。この試験って何点満点だっけ、受かってんのこれ?とよく分からなくなるものの、1問5点×24問だから120点満点で、たしか80点を超えてれば合格だったはずなのでまあ受かってんだろと思う。どうやら山勘の2問はどちらも外したらしい。ざんねん。最後に試験結果レポートという書式の印刷操作をして、試験室から退室。
- 13:30 受付で試験結果レポートの出力紙をもらって終わり。ロッカーから私物を出して会場を出る。
結局、受けるまで10分、試験20分、トータル30分強で終わり。CBT試験は予定時間よりも早く始められて、終わったら即退室可能というフレキシブルな試験でした。結果は3週間後にメールで届くらしいです。
CBT試験を初めて受けてみた感想としては、パソコンで解答する操作自体は別に構わないけど、そもそも私は総合資格のクセで暗記したものを問題用紙にものすごく書き込むという解答方法が身に染みてしまっているので、問題に書き込みできないのには違和感がものすごくありました。計算もできないし。メモ用紙をもらえなかったのは三陸特がそういうものなのか、テストセンターの人のうっかりなのかはわからないですが、計算させたいならメモくらいさせてほしい。というのが正直なところです。思考と手先って連動しているんだなあと今回思い知りました。
まあ三陸特は計算問題の答えも含めて丸暗記で解答可能なので、このくらいの簡単な試験ならCBTでもいいけど、これより難しい普通の試験は普通に紙で受けたいですね。せめてメモ用紙をくれ。
8.CBT化で過去問が公開されなくなったけど、参考書は参考になったのか?
もちろん参考になりました。私が受けたCBT試験では、24問中22問は電波受験界で公開されている過去問9回から出題されていました。あとの1問は過去問にはなかったけど参考書には載っていたので、やろうと思えば取れた。取りこぼしです。悔しい。残りの1問は全然聞いたこともない初出題だったので、まあ落としても仕方ないかなという感じでした。
要するに、過去問9回分だけやれば合格点の80点は十分にとれますし、なんなら110点とれました。
ちなみに私が落としたのは波長から周波数を求める問題(f=c/λ系のやつ)と、デジタル変調についての問題です。デジタル変調は過去問のR4年2月度[21]とかR3年2月度[21]みたいな感じの新問。たぶんR3年6月度[22]にあるASK、FSK、QAM、PSKを知っておく必要があるんだと思いますが、私が使った参考書(初版)にはこの辺は載ってなかったので、満点を取りたい人はこれだけ別途勉強が必要だと思います。ウィキペディアの該当ページを流し読みしたら答えが書いてあったので、余裕がある方は見ておくといいかも。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/デジタル変調
ちなみに同じ参考書の2版だとこのへんも載っているそうなので(さすがオーム社)、やはり買うなら2版をおすすめします。
まあでも満点でなくても十分合格点は取れますので、特にデジタル変調に思い入れがない初版ユーザーの方はこれ系の問題は捨ててもいいんじゃないかと思います。
9.三陸特の暗記ポイント
今回とくに丸暗記したのがこの辺りです。
法規
- 10日、1ヶ月、3-6ヶ月、2年
- 無線従事者は免許証(携帯)、無線局は免許状(常置場所)(※従事者と免許人をごっちゃにしないこと)
- 50WでkHz〜960MHz、100Wで1215MHz
- A(振幅)F(周波数)、2(デジタル単一)3(アナログ単一)7(デジタル2ch)8(アナログ2ch)、C(FAX)D(データ)E(音声)
- 電波の質→周波数の偏差、幅、高調波の強度
無線工学
- コレクタベースエミッタ、ドレインゲートソース(呪文)
- 電波c=3×10^8m/s これを分子にして分母に波長を置くと周波数が出せる
- インダクタンスはH(ヘンリー)、磁束はWb(ウェーバー)
- オームの法則 E=RI(Eは電圧、Rは抵抗、Iは電流)、電力P=EI 、なのでP=E^2/R、なので電圧3倍だと電力9倍(圧力増えるからすげー流れる)、抵抗3倍だと電力1/3倍(抵抗増えるから流れにくくなる)
- (A×B)/(1+2) ←分母が足し算、分子が掛け算。抵抗なら並列、コンデンサなら直列の場合。逆は足し算。
- 測定器は電流なら直列、電圧なら並列。どちらも上流が+。
- AMはA3E、アナログの振幅変調、スーパーヘテロダイン受信機、AGC回路
- FMはF3E、アナログの周波数変調、IDC回路、スケルチつまみ、プレストークボタン
- 多元接続
- FDMA(周波数帯を分割)
- TDMA(時間を分割)
- CDMA(PN符号を割り当て)
- OFDMA(周波数と時間)
- アンテナ、空中線系
- ダイポール(λ/2、水平に8字のとき垂直は全方向)
- スリーブ(λ/4、全方向)
- ブラウン(スリーブを割ったやつ)
- 八木(長いやつで反射する)
- デジタル変調の単一搬送波の変調方式
- ASK(振幅偏移変調)
- PSK(位相偏移変調)
- FSK(周波数偏移変調)
- QAM(直角位相振幅変調 )
この辺は過去問を3回やれば自然に暗記できるので、がんばれ。覚えられないやつはメモを書いてトイレに貼るといいですよ。
以上、2022年の暮れに三陸特を受けた記録でした。これから三陸特を受けてみようかなーと思っている方のご参考になれば幸いです。