完全独学で初めて受けた2級建築士二次試験の合否発表があさってに迫ってきました。思えば試験を受けたのは9月15日、まだ夏の空気が色濃く残る日曜日でした。試験室に入ってすぐ、製図版を養生テープで机に固定しているときに汗が滴ったのを思い出します。あれから2ヶ月半、もう朝晩に吐く息は白くなりました。受かっているのか落ちているのか判然としない、いや9割落ちた自信があるけれどもしかしたら奇跡の1割があるかも、しれない、いや、ない、でも、うーん、という感じにまな板の上で生殺しになったままの2ヶ月半でした。長い。去年受けた建築設備士の結果待ちの時も感じたけれど、建築技術教育普及センターの試験は結果が出るまでが本当に長いです。もちろん、製図試験だから手採点なので時間がかかるという事情は理解していますけれども、こちとらまな板の上にいるものですから、他に色々していても常に頭のどこかで「もう2級建築士落ちたからなあ、なんで私はあんな無駄な大空間を作っちゃったんだろうなあ、あそこに壁を作っとけばなあ、既存樹木があと1m南だったら良かったのになあ、あの試験をもう一度来年も受けるのか、周囲がオリンピックで盛り上がっている中で私はエスキスを書き続けるのか、あーあ、なんでこんな試験受けちまったんだろうなあ」という悔恨と諦念と絶望がぐるぐるしてしまって、あらゆることに集中できずに気もそぞろな2ヶ月半だったわけです。生殺し、辛い。
しかし、それもあと2日で終わりです。文字通り、私の終わった2019年が終わるわけです。結果が出る前のニュートラルに絶望している脳でいるうちに、今回の敗因をまとめておこうと思います。
というわけで自分なりに今年の敗因を考えてみた結果、以下3点だな、という結論に至りました。
その1.試験情報の収集不足
まずはまあこれです。何といってもこれです。私は一次試験が終わるまで、二次試験の問題は見たこともありませんでした。一次試験のことで頭がいっぱいで、そんな余裕はなかったのです。でも実はこれ、去年受けた建築設備士も同じでした。去年はそれでも、過去問と回答例と今年の予想問題を入手したら何とかなったので、今年もそれでいけるだろうとふんでいたのです。これがそもそも甘かった。
私が去年受けたのは建築「設備士」。設備は私が普段仕事でやっている分野です。ですから、自分がどこがわかってどこが分かっていないのかはだいたい把握できていました。一方、今年のこれは2級「建築士」なので、分野としては意匠と構造(しかも木造)です。あれ、これわたし畑違いも甚だしいのでは?と気付いたのは、勉強を始めたあとでした。結局すべてが後手後手で、どこが肝で何をどうすればいいかもわからないまま試験当日を迎えた感じでした。
結局、分野違いの試験を独学で受けるからには、どんな試験でどんな内容なのかをあらかじめ把握しておくべきでした。一次試験後の2か月間だけでは時間が足りな過ぎでした。
その2.スケジュールの調整ミス
まず、自分のスケジューリングのミスから。
- 7月3・4週目に放送大学のテストを入れてしまった。目前の試験を前にすると、建築士どころではない。
- 昨年夏から社会勉強のために薄ぼんやりと進めていた転職活動がなぜかこの時期になって軌道に乗ってしまい、7月に某社の一次面接と役員面接を受けた(結局、条件が折り合わずにお断りした)。
- 9月、試験1週間前に某ライブに行ってしまった(結局、その週末はそわそわと余韻で頭がいっぱいで、勉強どころでなかった)(でもライブさいこうだった)。
ここまではまあ自分の責任なので仕方がないんですけれども、予想外のできごとも起こりました。
- 7月、一次試験が終わった後、想像以上に燃え尽きてしまって、二次試験の勉強をする気にならなかった。
- 7月、会社の後輩の退職にまつわる諸々があって、勉強どころでなかった。
- 8月、夏休みに手足口病に罹患してペンすら持てず、勉強どころでなかった。
つまり、こちらが想像する以上に生きているといろいろなことが起きるので、それらを吸収してなお正常に勉強できる位のスラックを作っておかないといけなかったわけです。試験を受けるうえでのスケジューリングの心構えとしては、7月〜9月前半までは他の予定を入れない、というくらいのつもりでいればよかったなーと思います。
その3.慢心していた
とまあ、つらつら書いてきましたが、要するに敗因はこれです。
- 昨年、同じ主催者(建築技術教育普及センター)による建築設備士を独学で合格したので、同じ勉強のやり方で大丈夫だろうと思っていた。実際、二級建築士の一次試験も同じやり方で受かったし。
- 2017年から資格試験を5つ受けて全部一発合格していたので、きっと落ちないだろうと思っていた。
- 普段仕事で施工図を描いているので、それに比べたら設計図なんてちょろいぜと思っていた。
以上より、私なら落ちないだろう、という無駄な自信というか思い込みというか慢心というかおごりがあったように思います。結局、この不合格は「調子に乗るなよ」という天の思し召しということなんだろうなあと思います。わかりました天よ。心して来年の再試験に臨みます。
以上、長い言い訳でした。あー、もうあの試験受けたくないなあー。まな板にいるのもあと二日。